本来であればチヌ用ウキの実釣テストに行きたいところですが、自宅でボーっと釣具いじりをしている小ネタ師匠のご登場ですよ。

外出自粛&休校でお家におられるお子様をお持ちの皆様も多いはず。

今回はお子様も一緒に理科のお勉強ができる大変ためになるものとなっています。

これを機に「釣りはお勉強にもなるんだよ~!!」と奥さん・お子さんにも興味を持ってもらい、釣りに行きやすい環境を作っちゃいましょう(笑)

まず、2種類のお水を準備します。

もう、2種類ってところで海釣りをたしなむ方はどっちが何の水かわかっちゃいますよね~

左の丸いビンが海水(ウキが入っている方)、右が真水(水道水)になります。

海水は、2月ごろに汲んでいた米水津のおいしい海水です(笑)

ウキを2種類用意します。

できるだけ大きさが違う、浮力精度が高いウキがいいです。なんで大きさに違いが必要かは、後で説明します。

海水ビーカーに浮かべて、浮力がギリギリになるように、オモリ設定します。

ゼクトα 3B-11.7gとオペレート(M) 3B-5.6g

ゼクトαなら3BにG5、オペレートは3BとG3、G5でちょうどギリギリになります(オペレートは標準で+G3の与浮力があります)

浮力精度が高いウキのほうがいいのは、このオモリ調整が簡単に済むからです。

ガン玉使うのはもったいない!!という方は、ヒューズでも石(笑)でも沈むものであればなんでもいいです。

できるだけ水面ギリギリになるように重量を調整して下さい。

このように、海水に入れたときにギリギリにします。

お次に、真水の入ったビンに入れると、あら不思議!ゼクトαだけ沈んでしまいました!!!

なーんででしょ??

これはいわゆる、海水によって浮力が増す現象が発生するからなんです。(海水浴に行くと、プールより体が浮いた感覚が出る。ってやつです)

あの現象が、こんな15gにも満たないような小さなウキでも影響するんです!!

最初に、できるだけ大きさが違うウキを準備して下さいとお願いしたのは、この海水の影響はウキの「体積」に大きく左右されるからなんです。

体積の求め方については、「アルキメデスの原理」ってやつです。

(ここから話が一気に難しくなるので、興味ない方は結果だけ見て楽しんで下さい)

※専門的な方がご覧になった場合、詳しく説明するとそうじゃない!な部分があるかと思いますが、わかりやすく説明するためだということでご容赦下さいm(_ _)m)

ゼクトαの体積は大体12.5c㎥くらい、オペレート(M)は6.8c㎥くらいで、約2倍の差があります。

水道水の比重を1.00g/c㎥とした場合、海水はおおよそ1.03g/c㎥(3%)と考えて下さい。

この0.03g/c㎥の比重の差を、体積に対して掛けたのが海水によって増えた浮力になります。

ゼクトα 12.5×0.03=0.375

オペレート 6.8×0.03=0.204

その差は0.171g。これはガン玉だとG5に相当する浮力差になります。

つまり、「オペレートの方が体積が小さい分、海水による浮力増加の影響が少なかったため、真水に入れても沈まなかった」ということになります。

逆にそれぞれのウキを真水状態でギリギリに設定した場合に海水に浮かべてみると、ゼクトαならG2くらい、オペレートならG4くらいの余浮力が発生することになります。

大きさの違うウキや形状の違うウキ、海水の濃度を変えてやれば、当然条件が変わってきますので、いろんな条件を試してみれば結構なお勉強になりますよ。

夏休みになれば、いろんな海の海水を汲んできて、どこの海の塩分濃度が一番高いか?っていう自由研究もできます\( ‘ω’)/

ちなみに、もっと残浮力がなくなるまでギリギリのガン玉調整をしたらオペレートでも沈みます。0.204g(ガン玉G4分)の余浮力を目視で調整できるかチャレンジしてみても面白いかもしれません。

 

釣研のウキはこの「海水で使うと浮力が増える」ということを前提に浮力設定を行い、その結果01・02・03などの超精密浮力(SSA)の実現に成功しています。

その浮力誤差は1/100g(0.01g)で管理していますので、どれだけ大変かを実験で体感してもらえれば(笑)

もちろん、そのレベルになると目視でなんか検査出来ませんから、釣研独自の特殊検査方法で検査しています( ・`ω・´)キリッ