海に行けないなら、お風呂にウキを浮かべて眺めればいいじゃない!!の迷言でおなじみ?の師匠ですYO

さてさて、今回は釣研の代名詞でありながら、しばらくカタログから姿を消していたななめウキの進化版「ななめウキ-R」のお話。

まず、なんで「ななめウキ」はなくなっちゃったの?ということなんですが、一言で言えば作れなくなったから。

ウキ作りって簡単なようで割と難しい。と申すウキ屋がおりましてですね、ななめウキって、ななめに浮かせるためにオモリを入れる位置が非常に重要なのと、浮力を合わせるために木材の重量選定が細かいんです。

オモリを入れる位置がちょっとズレると傾きが変わるし、材料の比重が重たいと沈むし軽いと浮く。じゃあ、普通のウキみたいにオモリの重さを調整すればいいじゃない?となると、オモリの重さによってまたオモリを入れる位置を調整しないと傾きが変わっちゃう!!という、初期からある割にものすっごく作りにくいウキだったわけです。昔の職人さんに敬礼(`・ω・´)ゞ

特に問題だったのが木材。昔はいい材料がたくさん手に入ったんですが、最近はなかなか手に入りにくくなってしまったことで、もうこれ以上は作れない!!と判断した次第です。

木で作れないならプラスチックで作ればいいじゃない!(この言い回しすでに3回目www)と思われた方、するどいですね~

確かにプラスチックで作れば重量が安定するので問題ないかに思われます。でも、ここで問題になるのが「ななめ」なんですよ。

水平に近い緩い傾きだったら割と簡単にできます。他メーカーからも発売されてます。でも、傾きを大きくするには普通の作り方だとかなり難しいんです。

傾きがなくても使えればいいじゃない。という声もかなりあったんですが、ななめウキ伝統の感度と糸落ちを両立させたこだわりの角度を出せないとイヤだったんです(これが開発者のこだわりってやつですよ)

それでも釣研の伝統製品を復活させたいとた色々試行錯誤しながらようやく完成したのが、

この「ななめウキ-R」なのです。

当然、復活させるなら機能も向上させないといけない!!ということで、様々な改良がなされています。

まず、浮力を2種類ラインナップ。

・飛ばしウキとしての使用をメインとした「とばし」

おおよそ2B程度(B~3Bくらい)の与浮力があります。旧ななめウキが5Bくらいあったので、半分くらいの与浮力になったと思ってください。

与浮力を削ることで、より繊細になった魚のあたりに対応しやすくしました。

・単体での使用をメインとした「ギリギリ」

ほとんど与浮力がないです。昔は旧ななめウキに板鉛を張り付けて浮力をギリギリにして全遊動用ウキとして使っていた。という話から、最初から浮力削ったのを作ってみました。

全遊動専用のウキとしては「全遊動EX-R」がありますが、こちらは小粒で、穴径を2mmと慣れないと仕掛けを送り込みにくいので、よりテクニカルな釣りをされる方向け。対して、ななめウキ-Rのギリギリは穴径2.5mmと仕掛けを送り込みやすく、また重量もあるので全遊動初心者の方や、遠投が必要な状況で使い分けてもらえればと思います。

次に大きな変更点として、浮力およびサイズごとに傾きを変えた点です。

前述で「こだわりの角度を出さないとイヤだった」としましたが、もともとのななめウキは全サイズ角度30°。でも、メインで使う距離が違うのに角度が全部一緒っておかしくない?と思ったんですよ。

色々テストして導き出した答えがこれです!!

まず、とばしです。

左から中(45°)→大(40°)→大大(30°)です。

大きいほど角度を寝せています。

これは、遠方になるほどラインが水面に入りやすくなるため、ウキのセンター穴を海面に近づける(海面より下にする)方が先ウキの動きを邪魔せずに流すことができる。また、遠投している方が魚が浮いていて横走りするケースが多いため、角度をつけすぎない方がアタリが出たときに道糸の動きを妨げない。

逆に小さいほうが角度がついている理由としては、ライン操作が可能な場合は道糸を沈めてしまうより頻繁にラインコントロールをした方がよい場合が多いため、道糸を沈ませすぎないようにウキのセンター穴を海面より高い位置(海面に近い位置にする)方が良いと判断しました。

次にギリギリ。

概ね40°です。

全遊動EX-Rが45°であるのに対し、若干寝かせています。これは、全遊動EX-Rのパイプがφ2mmであるのに対し、ななめうき-Rがφ2.5mmなので、仕掛けが落ちすぎないようにするため。あと、遠投する場面で使うことが多くなるためガン玉を使った仕掛けになることが多いと想定し、その場合ウキを寝せた方が仕掛けにブレーキがかかるためです。

全6種類を一斉に浮かべるとこうなります。(ウキが動くんで、ななめになってわかりにくいですねwww)

このように、かなりバージョンアップした新ななめウキ「ななめウキ-R」。

まもなく発売となる予定ですので、特にこれからの梅雨グレや夏場では二段ウキ仕掛けが活躍するシーンが増えるので、先ウキとセットでお楽しみ頂ければと思います。