去る6月23日(土)~24日(日)の二日間に渡り、釣研ファングループ(以下、釣研FG)主催のWFGグレ(ワールド・フィッシング・ガイアオブグレ)を長崎県平戸市の宮ノ浦一帯の磯で開催した。
24回目の開催となる本大会は、ワールドの名の通り日本国内はもとより韓国・台湾の支部からも代表選手が参加する国際的な大会で、今回はシード選手4名、推薦選手3名を含めた計52名の参加となった。
開会式は生憎の雨となったが、昨年優勝で連覇を狙う五島支部濵上幸喜選手、昨年準優勝で雪辱に燃える大分県支部木村真也選手、もはや常連と言ってもいい徳島支部森井陽選手の最多タイの3度目の優勝を目指す3選手の他、厳しい各支部予選を勝ち抜いてきた選手たちはそんな天気をもろともせず、午前6時から熱戦を繰り広げた。
予選リーグは1ブロック4名の総当たり戦で1試合120分、各ブロックの最高得点者と、ワイルドカードとして各ブロックの2位の中から総重量が重たい順に3名が決勝トーナメントに進出する。
第1ブロックでは過去に優勝経験を持つ釣研FG推薦の長崎県北支部金澤新一選手を抑え、徳島支部の武間(ぶま)信広選手が全勝の30点満点で勝ち抜け。
第2ブロックでも北九州支部の若手、橋本龍一選手が全勝で決勝トーナメントにコマを進めた。
第3ブロックでは宮ノ浦をホームグラウンドとする西九州支部永露匠選手が安定の強さを発揮し、ここも3戦全勝で勝ち上がり。
第4ブロックは優勝候補木村選手が順当に勝ち上がったほか、韓国中央地区のKang選手も総重量11,990gの釣果でワイルドカード1位当選となった。
第5ブロックは2位が3名と混戦となる中、ベテランの五島支部吉本嘉済選手が3戦全勝で勝ち抜け、また長崎県北支部の新宮征平選手が7,840gを釣り上げワイルドカード3位。宮崎支部の時吉長稔選手はわずか10g差の7,830g、長崎県南支部丸本龍郎選手は400g差と非常に僅差のブロックだった。
第6ブロックでは土佐支部笹岡路弘選手が3戦全勝の30点満点で予選突破。
第7ブロックでは北九州支部江藤義紀選手が、熊本支部の宮村信次選手との第3戦同点での直接対決を制して勝ち上がった。
第8ブロックの勝ち上がりは昨年優勝の濵上選手。3試合で釣り上げた16,880gは予選最高重量で王者の貫禄を見せつける結果となった。
第9ブロックは勝ち点22で3名が並ぶ大混戦となったが、最重量6,220gを釣り上げた福岡支部麻生真吾選手が規定により決勝トーナメントへの切符を手にした。韓国中央地区のPark選手はブロック最重量の7,200gを釣り上げるも敗退するという不運な結果となった。
第10ブロックは全員が7,000g以上の釣果を出す激しい釣り合いとなったが、森井選手が3戦すべてで釣り勝って1位通過。また、八女支部の田代智之選手が10,490gでワイルドカード2位となった。3年連続の表彰台を狙った京築支部の宮嶋恭二選手は3戦全敗の悔しい結果となった。
第11ブロックは三重支部の小出仁志選手がこちらも3戦全勝で勝ち上がり。青年部推薦の大分県支部日野志洋選手は若さ溢れる釣りを展開するも、わずかに及ばず2位で予選敗退となってしまった。
第12ブロックでは釣果なし者が出る厳しい状況の中、的確な判断で釣果を伸ばした山口県支部藤井信行選手が取りこぼしなしの30点満点で決勝へ。
第13ブロックは釣果なし対戦が出るなど、こちらも厳しい戦いが続いたが、韓国中央支部のKim選手が2勝1敗の勝ち点22で決勝進出となった。大分県支部の鳥越善太郎選手は2勝1分けの負けなしだったが、得点ルールに基づき惜しくも敗退となった。
13ブロック中11ブロックで3戦全勝者が出ており、どのような戦いが繰り広げられるか非常に楽しみな決勝トーナメントとなった。
ここ数年は初日のリーグ戦は平戸宮ノ浦、二日目の決勝トーナメントは五島列島の野崎島周辺で開催していたが、本年は指向を変えて決勝トーナメントも同じ宮ノ浦で行うこととなった。
また、競技性を高めるための新たな試みとして、今まである程度自由に準備していた決勝トーナメントのツケエ・マキエを、大会本部が準備した同一のものを全選手が使用することとした。マキエは1回戦分としてオキアミ生6kgにマルキューの配合餌「グレパワーV9徳用」「遠投フカセTR」「グレパワーV11」の3種類を1袋ずつ。ツケエはトーナメント3回戦分として同じくマルキューの「グレ丸」「くわせオキアミスーパーハードL」各2パックを支給した。
準々決勝1組目は吉本選手と麻生選手。対戦は小松崎で行われ、麻生選手が準決勝へ駒を進めた。
2組目は永露選手とKim選手。魚の反応が悪く1匹ずつの釣果となり、重量差でKim選手が勝利。
3組目は、木村選手が5,860g対450gの圧勝で田代選手を下した。
4組目の橋本選手と森井選手との対戦は、若手の橋本選手がシードの森井選手から大金星。
5組目の武間選手対新宮選手は、昨日好調だった追帆崎で行われ、新宮選手が勝ち上がり。
6組目、ブルースで行われた江藤選手と小出選手の対戦は、潮を味方にした小出選手が勝利した。
7組目は藤井選手との釣り合いを制した濵上選手が連覇に向けて順調に勝ち上がり。
最終8組目はKang選手が笹岡選手を退けた。
準決勝1組目は麻生選手とKim選手。良型をそろえた麻生選手が初めて決勝戦に進むこととなった。
2組目は注目の木村選手とシード選手を破って波に乗る橋本選手との対戦。ここでは過去2回の優勝を誇る木村選手が自力で勝り、昨年に続いて決勝に進出。
3組目は同じ4枚ずつの釣果で重量勝負となった。小出選手が320g差で新宮選手を破り、初の決勝進出。
4組目は、濵上選手が後半戦に竿が折れるトラブルに見舞われたものの、Kang選手の追い上げを振り切って、決勝へ勝ち上がった。
決勝の舞台となったのは宮ノ浦屈指の釣り場「尾上の南」。晴天の空の下、多くのギャラリーが見守る中、午後0時30分に寒竹FG会長の開始の合図とともに頂点を決める戦いが開始された。
まず、海に向かって左から小出選手、濵上選手、麻生選手、木村選手の順に並んでスタート。
小出選手が開始直後にキープサイズのクロを釣り上げさすがの釣技を見せると、すぐさまその隣の濵上選手にもヒット。開始直後は左側が良いスタートとなったが、しばらくすると麻生選手、木村選手にもアタリが出始め、早くも釣り合いの様相を見せる展開となった。
2Rに入ると波が若干高くなり始め、濵上選手がバッカンを流されかけるアクシデントが発生。そこは歴戦の名手、落ち着いて対応し事なきを得た。
3Rでは木村選手の猛ラッシュが開始。驚異のペースで釣果を重ねていく中、麻生選手が竿を折るトラブル。こうしたトラブルを如何に回避するかも競技会では重要となる。
4Rに入っても木村選手が止まらない。濵上選手、小出選手も釣果を伸ばすがなかなか巻き返せるような良型が出ない。麻生選手はここでもさらに高くなった波に釣り座を洗われる不運に見舞われるが、瀬際から離れつつも丁寧に仕掛けを流して釣果を伸ばしていく。
120分の熱戦は午後2時45分に釣研奥村社長によるホイッスルで終了。いよいよ検量となった。
検量結果は、木村選手がなんと17,660g44匹。実に3分弱に1匹を釣り上げる圧倒的な驚異の釣果で3度目の優勝。橋本FG副会長も、釣りすぎ。と思わず苦笑い。
準優勝は濵上選手が9,810g29匹で入賞し、昨年優勝の面目を保った形となった。
25匹8,560gを釣り上げた小出選手が3位で初の表彰台。
麻生選手は度重なるトラブルや不運に見舞われたものの18匹6,620gの堂々たる釣果で4位入賞となった。
今回決勝戦進出の4名すべてが「エイジアマスターピース」を使用しており、同ウキの完成度の高さ、トーナメントでの使いやすさが際立っていた。
木村選手の釣果の秘訣は、「エイジアマスターピース」の精密な浮力設定のほかに、潮が速くなったときにはBのガン玉を2段打ちするといった大胆なガン玉使いにもあるようだ。
WFGグレ予選リーグ結果
WFGグレトーナメント戦結果
WFGグレ大会上位仕掛図
受付
開会式
釣研FG寒竹準一会長あいさつ
株式会社釣研 奥村稔社長あいさつ
競技ルール説明(競技説明 西競技委員長、審査説明 新審査委員長)
選手宣誓(濵上幸喜選手)
リーグ戦乗船
リーグ戦後集合写真
リーグ戦成績発表 成績発表を行う山本伸二FG副会長
優勝カップ返還
トーナメント戦抽選(対戦者インタビュー 橋本敏昭FG副会長)
決勝戦前の準備
決戦の4名
寒竹会長の合図で決勝戦開始
決勝戦の模様
釣研 奥村社長の合図で試合終了
検量
成績発表・閉会式
あいさつをする寒竹準一FG会長
あいさつをする奥村稔 釣研社長
表彰の模様
優勝は大分県支部 木村真也選手
準優勝 五島支部 濵上幸喜選手
3位 三重支部 小出仁志選手
4位 福岡支部 麻生真吾選手
優勝者インタビュー(インタビュー:橋本敏昭FG副会長)
山本伸二FG副会長による一本締め